家族とは——
Kindle版
さよなら、ツインレイ
当時はこれでおしまいなんだ・・・。そんな風に思いながら書いた『さよならツインレイ』。結果的にさよならしたのは、神交法の相手であるツインレイの霊体だった件。今更振り返って読んでみると納得がいく一冊だが、当時はよくわかっていなかった。
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家族とは「帰る場所」と答えました。
当時の私にとって、家族とはただの帰る場所でした。
しかし、心が帰りたいと望んだことはありません。
今の私は、家族とは「人格を認め、成長し合う人たち」を意味しているのかなと思いました。
人格否定をする人、人の成長を阻害する人を『家族』とは呼ばないのだと思います。
だからこそ、私は私の家族を家族とは思えません。
少なからず、傷ついたのだと思います。
彼が私に何も言わないでいることに。
そして、腹も立てていました。
なぜならば、彼が私に何も言わないことは、私への拒絶に感じられたから。
私は教えてほしかったのだと思います。
逆に、彼は聞いてほしかったのかなと思いました。
教えてくれないのは興味がないからなのでしょうか。
聞かないのは興味がないからなのでしょうか。
結局、どちらも「なにもしなかった」のだなと思いました。
自分が聞けばよかったし、自分が教えればよかった。
何もしないでいた結果、最終的には壊れた関係性でした。
自分の想っていることは、最後に伝えることが出来ました。
彼も、最後に私が思っていることを聞くことができたかもしれません。
しかし、それでよかったのでしょうか。
それは、本当に「言いたかったこと」で「聴きたかったこと」なのでしょうか。
私たちは何もしなかったし、言いたいことも言えなくて、聞きたいことも聞けなかった。
すべてがすれ違い続けました。
何が原因だったのか——と追求すれば、確かに色々あげられるものはあるかもしれませんが、相手に求めてはいたけれど、自分は何もしなかったことなのかなと思いました。
もしかしたら、自分の話をしていたのかもしれないし、話す相手の話を聞いていたのかもしれない。
しかし、それは本当の意味で理解し合えたとは言えません。
大事なのは、自分が何を聞きたくて、自分が何を答えるのか——にありました。
もし、自分が喪失されていたのであれば、私は何を聞けばよかったのでしょうか。私は何を答えられたのでしょうか。
これは私の大きな失敗ですし、もし自分がここにいないのであれば、誰かと「分かり合う」ことすら出来ないのだと思います。
何が知りたいのかすらわからないし、知ってもらうものすらないからです。
だからこそ、自分を取り戻す必要性がありました。
彼と私は、あのときは赤の他人でした。
共に過ごした時間もありましたし、話をしたこともあります。
しかし、赤の他人でした。
なぜならば、彼と私は「知り合って」すら、いないからです。
私は彼に最後に質問をしました。
試験日はいつなのか——を聞きました。
過ぎていました、もう試験は終わったようでした。
裏切られたような気がしました。
教えてほしかったからです。
彼は聞いてほしかったのかもしれません。もしくは伝える意味が彼のなかになかったのかもしれません。
知ろうともせず、伝えようともせず、どうして「知り合い以上」だと思えたのでしょうか。
少なからず、あのときの私たちは、知り合うことすら出来なかったのです。
そして、そこにもし「自分」というものが存在していないのであれば、それは、何もなかったということ。
私は彼と他人に戻ります。
「家族ってなに?」と彼に聞かれました。
「帰る場所」と私は答えました。
私は、彼が家族がわからないから「家族ってなに?」と聞いたのかと思いました。
私にとって質問とは「わからないから聞く」のであり、「分かり合うために聞く」ことではありませんでした。
そんなコミュニケーションをしたことが本当に数少ないことに気づきました。
彼にとって家族とは何か——という答えがあったのかもしれません。
だからこそ私は聞くべきだったのだと思います。
「彼くんにとって、家族ってなんだと思う?」
後悔先に立たず。
今さら、気づいたところでどうしようもありません。
この世が残酷だと思う瞬間です。