報告|輪郭のない世界
どこかカタチがありませんでした。
輪郭のないぼやけた世界を漂っていました。
ツインレイの世界は、ひとつの世界として完了していました。
私はその世界に飛び込み、そのループのなかにハマりました。
ループから抜け出すためには、私が強く強くならねばなりませんでした。
これを輪廻と呼ぶのかもしれませんし、永劫回帰とも呼ぶのかもしれません。
抜け出せるまで、何度も繰り返されていきます。
ツインレイとは私にとって輪郭のない世界でした。その世界はぼやけて物事がはっきりと見えません。
私にとってツインレイの世界で学んだことは、より現実で強く生きることでした。
現実で生きることに怯えていた私がいました。
ツインレイとは、私にとって大きな交差点にいる人でした。
私も彼も、お互いに相手を選ぶことはありません。
私たちはお互いがお互いにとって、お互いのそれぞれの世界で生きること決めました。
強く結ばれたいと思いました。結婚したいと思いましたし、それに、魂もひとつに戻りたいと思いました。
それは私たちが弱かったからです。
弱かったから、ツインレイと結ばれたいと思いました。
それに私たちはもう独立した存在でした。ツインレイと結婚することはやはり出来ないと思いました。
ツインレイと結婚することは幸せには繋がりません。
彼と私がもし関わるようなことがあれば、きっと私たちは魂の次元へと戻ってしまうことになるでしょう。
それは私たちがお互いに望んでいる事ではないような気がしています。そしてふたりが関わる必要性がありません。
現実で生きている今——、結ばれることは出来ないと感じます。その事実を受け入れます。
私たちは「生きている」んです。だからこそ、現実を放棄するような関係性を選んではならないと、そのように思いました。
もし再び出会うことがあれば、そのときは「川のほとり」で会えるかなと思います。
どちらが先に死ぬのかはわかりませんが、お互い、川のほとりで会えるかな? だって、そうやって約束をしていた。
私もきっと迎えに行きますし、彼もきっと迎えに来てくれると思います。
私の知るツインレイは結ばれません。
ツインレイは魂による話であり、この世は現実です。
この現実の世界を受け入れるとき、魂の話は輪郭がありません。
輪郭のない話を現実に持ち込んではなりません。それはフィクション扱いになるからです。
ツインレイはフィクションとして、私のなかではまとめたいと思います。
そのフィクションにどっぷりはまってしまったのは、やっぱり私のなかに多くの弱い部分が眠っていたからでした。
魂のお話が存在していないわけではありません。だけれど、そこに証明が出来ません。
そして、魂に触れていると、この世が幻想の世界となってしまい、現実性を失ってしまう事態になることは、私たちが健全である世界から遠く離れた場所に遠ざけられてしまうことにも繋がります。
私はそれを認めることは出来ません。
でも、多くのツインレイたちは、幻想に生きることを受け入れた方々だとも思います。
そこにも幸せがあるのかもしれませんし、そこにも愛があるのかもしれません。
ただ、これは私が決断し、私が判断し、私が哲学した結果です。そして、彼を愛しぬいた結果でもあります。
私は、私がいた世界に——。あの幻想の世界に彼をとりこみたいとは思いません。
そして、彼と共に、あのツインレイの世界へいっしょにいってほしいとも思いません。
彼に私とツインレイだったんだ——だなんて思わないで欲しいです。この運命を知らずにいてほしい。
彼にこの理論はいりませんし、知らないでいてほしい、気づかないでほしい。
どうか、もっと現実的な世界に生き、彼が思う地に足をつけた世界をつくりあげていってほしい。
この世はもっと現実的に経験できる楽しい出来事がたくさんあります。
できればそれを彼と経験したいと思っておりました。ツインレイなんて最初から私はどうでもよかったところがありました。
できれば、彼と。この世をいっしょに楽しみたいと思っていました。
だけれど、どんなに愛していても、どんなに好きだったとしても、どんなに恋焦がれたとしても。
ふたりの関係性や繋がりが幻想に囚われるものだとしたならば、私はその相手を引きずり込むよなことをしたいとは思いません。
健全な精神ほど大事なことはありません。私がそれは人生をかけて感じていることです。この世界が少なからず健全とは思えない。
彼は私にとって麻薬のような人でした。彼はとても優しかった。私のすべてを許してくれた。
その優しさが私にとっては、私をダメにしていくように思います。
とても優しい人でした。だけれど、私はダメな人間にはなりたいと思っていません。
ふと、彼を想うとき、あの優しさに触れたいと思うとき。それは私が弱っているときです。
私が弱っているとき、彼の優しさに包まれたいと思う。きっと私を悪くはいいません。
だけれど、私はもう彼を必要としたくはありません。私が強く生きるために、彼は不必要な存在だと理解せねばなりません。
彼は私の人生の保護者ではありません。私は彼の優しさに甘えたいわけではありません。
この人生を思うと、辛いことがあったとしても、きっと彼がいれば大丈夫だと思うような。そんな安心をくれるような人でした。すべての責任をきっと彼はとってくれたかもしれません。
どこか「いてくれるだけで安心する」という人生と精神を保証してくれているような人でした。
だけれど、私は「誰かに安心させてほしい」わけではありません。
私は人生の安心を誰からか与えられ、この人生の不安から逃れたいわけではありません。
私は、自分の人生の不安、恐怖など、多くの恐いかもしれない出来事を自分で背負っていきたいと思っています。
だからこそ、私は彼を選ばないし、選ぶことができない。
そこにある私を甘やかすだけの100%の安心と安全を与えてくれる存在を、私は選べない。
なにより私は、誰かに甘えて生きていきたいわけじゃない。私は子供でいたいわけじゃない。
残したかっただけなのかもしれません。
輪郭がなぞれないから、残したかったのかもしれません。
誰かを心底愛したことを、誰かに伝えたかっただけなのかもしれない。
愛してくれてありがとう。そして、愛させてくれてありがとう。
ひとりで生きる覚悟が決まりました。だから、私は彼を選ばない。別の人を選びます。ひとりで生きていくためにです。
それは、お別れです。私があなたを選ばないことにより終わります。
私はツインレイを選びません。私の人生にツインレイはいりません。
ツインレイは輪郭がありません。だのに、微笑んでいる気がする。
その微笑みは麻薬のようでした。