蓮の花
Kindle版
さよなら、ツインレイ
当時はこれでおしまいなんだ・・・。そんな風に思いながら書いた『さよならツインレイ』。結果的にさよならしたのは、神交法の相手であるツインレイの霊体だった件。今更振り返って読んでみると納得がいく一冊だが、当時はよくわかっていなかった。
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生きるのは辛い。
どんなに苦しくても、死ぬことが許されないこの世界で、息をすることさえももどかしい日がある。
そんなある日、私たちはご褒美のような出会いを果たした。
しかし、そのご褒美さえ手に取ることができない私たちが、どうしてこんなにも苦しい思いをし続けれなければならないのか。
生きるだけでいいという。
だけれど、たったそれだけのことが苦しい人生を、誰かが助けてくれればいいと思う日だってあった。
でも、出会う人のすべてが苦しんでいた。
誰しもが自分の人生に苦しみ、誰しもが自分の人生に足掻いている。
そんな人たちに「助けてほしい」だなんて言えない。
苦しいのは私だけではない、だけれど、どうしてだろう。
苦しい人たちは、人を苦しめることで自分の心を休めている。
本当は助けてほしかった。
でも、助けられるほどの技量など、ほとんどの人に持ち合わせられていない。
あくる日も、自分の苦しむ姿を見続けてきたけれど、同じように人も苦しんでいる。
その苦しみにも、胸が押しつぶされそうな気持ちで生きてきた。
この世は、地獄だ。
どんなに素晴らしい朝日が昇ろうと、どんなに素敵な鳥が舞っていようが、この世は地獄だ。
苦しみもがく餓鬼たちが、自分の苦しみを人に押し付けては喜んでいる。
そんな世界で笑い方を忘れてしまった私たちが、どうして幸せになれるんだろう。
だけれど、私たちのなかには愛がある。
それは幸福の兆しのようだ。
私たちのなかに愛があることに気づくとき、きっと明日に幸福がやってくる。
愛が苦しみを溶かし、愛が喜びを呼ぶ日がやってくる。
それまでは、静かに苦しみを育むだけの日々。
そんな日々を燻った毎日のように感じられるけれど、私たちの人生のなかで愛は一度、一輪しか咲かない。
愛はどこにでもあるものではない。私たちはそれを知っている。
だからこそ、この愛が貴重な花だと話す。
それは、苦しんだ人にしか与えられることのないもの。
愛の裏側には、いつだって苦しみがある。
もしあなたが愛だというならば、私は苦しみ。
私を切り捨てることは容易いけれど、苦しみのない愛を愛とは呼ばない。
苦しみの時期を乗り越えた先にしか、愛は生まれない。
もし、あなたが今、苦しいのであれば、その苦しみの分だけ未来に愛がある。
その愛を培うために、私たちは苦しみを感じている。
この苦しみは、誰かを傷つけるために持っているものではない。
あなたと共に生きるためにある愛の兆し。
もし、あなたが苦しんでいるのであれば、あなたと共に生きる人がいることを忘れないで。
苦しみを捨てないで、あなたが愛により繋がれる人を捨てないで。
苦しみがいつか時を超えて愛に変わるとき、あなたに出会う人がいることを忘れないで。
愛のまま、あなたが苦しみから救われようとしない限り、あなたと共に生きる人がいる。
愛は苦しみを取り除く道具ではない。
愛は苦しみながら生きるあなたと私を繋ぐ橋。
そして、私はといえば、あなたの花でありたい。
あなたの苦しみに愛を芽生えさせる種子でありたい。
今はまだ私が苦しみであることを知っているけれど、いつか、あなたの花をみたい。
いつか、私が苦しみではなくなるとき、あなたのなかには愛がある。
その愛のまま、あなたと出会いたい。
あなたは充分に苦しんだ。
私も、充分に苦しんだ。