あなたは愛されたことを覚えてる? 私は忘れてしまった。

Kindle版
さよなら、ツインレイ
当時はこれでおしまいなんだ・・・。そんな風に思いながら書いた『さよならツインレイ』。結果的にさよならしたのは、神交法の相手であるツインレイの霊体だった件。今更振り返って読んでみると納得がいく一冊だが、当時はよくわかっていなかった。
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心理学における昇華とは、社会的には認められない欲求を別の形として表現したりすること。そして、満たされない欲求を別の形にして表現すること。
ツインレイは『昇華』だなと思う。
表現する中で、自分のなかにある満たされない欲求をカタチにしている。
人生のなかで満たされなかったものをカタチにすることで、共感を生み出すことが出来れば、それが昇華になる。
人は皆、満たされない想いを抱えているものだと思う。
私もまた満たされていないし、あなたもまた満たされていないところがあるんだろう。
満たされないものを満たそうとしても失敗するだけ。何度も繰り返してきたこと。
底の抜けた薬缶に水を入れても、いつまで経っても満たされない。そんな日々を繰り返してやいないか。
もし、満たせるものがやってきたとしても、満たされない。底が抜けているから。
よく愛情枯渇のことでは、この表現が使われていると思う。
満たされていない私たちがいて、未だに底の抜けた薬缶の直し方だって知らない。だから困っているのだ。
何度も何度も昇華しようが、満たされていないことは変わらない。
だから、私は、自分の薬缶の底が抜けていることを受け入れようと思う。
このままでいいやって思う。私の薬缶が壊れていることを、そのままでいいと思う。
底から抜け落ちる愛情への喪失感を受け取って、私は空虚を昇華する。
たしかに悲しいけれど、これでいい。私の薬缶は底が抜けてて、あなたの愛情を受け取れない。それが『私』なのだ。
そんな私がここにいて、そんな自分を受け入れる。
もしかしたら、ツインレイ。それは薬缶の底が抜けているのかもしれない。
誰かの愛情を受け取れなくて、苦しんでいる人なのかもしれない。
でも、それでいいんだと思う。
きっと私はあなたの愛情が分からない。でも、愛情がわからなくてもいい。
もし、あなたが私の愛情に気づかなくても、わからなくても、それでもいい。
私もきっと、わかってないと思うから。私もわからないから、だから、それでいい。
愛されたい。そんな欲求を抱えて、私たちは生きている。
愛されていることにすら気づけないまま、私たちは生きるしかない。そんな生き方を、私は受け入れる。
あのときの私は確かに、愛情が何かをよくわからないまま、人を愛したのである。
受け取ったことがないものを、どうやって人に差し出せたんだろう。
自分が持っている愛が愛ではないことに気づくには、とても簡単なことだった。
ただあなたを愛すればいい。
これをなんて表現すればいい? 人らしく、傲慢に『絶望』と言えばいいだろうか。
この世は狂っている。私もまた同じように狂ってる。
ねえ 誰かを愛したことを覚えてる?
誰かに愛されたことを覚えてる?
私は忘れてしまった。だから私はあなたを愛してしまった。
私はまだ許されていない。
自分の薬缶の底は空いていた。だから、相手の薬缶に水を入れようと思った。
でも、注いだ『それ』が『何か』は知らなかった。
これは、私の罪となりましょうか。